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醒睡笑

一とろゝの汁の出たるお、座敷に古人ありて、けふのことつて汁(○○○○○)は、いつにまさり、一入出来たるなどいひほむる、是はめづらしきことばやと、其子細おとふ、さればよ此汁にてはいかほども飯がすゝむゆへ、よくいひやるとのえんに、ことづてしるといふならん、きこえたる作意やと感じやがてとろゝおとゝのへ、客およぶに、ことづておとはれ、おたひやるとぞ申ける、