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嬉遊笑覧
十上飲食
筏鱠、庖丁家書に、鯉、鮒、すゞき、鮎などおするなり、皮おひくに依て筏鱠と雲なり、筏は川お引の謎なり、庖丁聞書に、鮎の筏鱠といふは、鮎おおろして細づくりにして、柳の葉おいかだの如く皿にならべ、そのうへに作りたる身おもりて出すべし、柳の葉さき人の左又は向へなるやうに敷べしとあれば両義なり、今蘆の茎お筏に作るも杜撰にあらず、