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江戸流行料理通大全
初編
膾の事一膾は慶賀の第一也、上より下に至る迄、祝日にはかて膾といふおこしらへ、慶賀おとゝのふ、此かて膾といふは、膾に作りたる魚へ、時の青もの大根にんじんうどの類おきざみ、魚の相手に盛、是おかて膾といふ也、膾の本式は魚計お作りて盛事也、なますのけんの意味お知らざれば、慶賀第一の膾とは知れまじき也、しやう進の酢あへにけんお付る事、甚あやまり也と雲伝ふ、