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大草殿より相伝之聞書
一くろにの事、まづくろ物の内にかぢめお敷て、其上にあふびお入て、又其上にかぢめおふたにして、すめみそにていかにもよくに候、かぢめなき時は、おごひじきにてもあれ、かぢめの名代にいるゝ也、さやうに候へば、くろく成候、明日の客来ならば、宵より煮候、あふびも先煮候て、又すめ味噌にて、いまのごとくにる也、扠切候へば、中はしろく、まはりはくろし、それお切様は、すぎもりになるやうに切べし、しぜんあへてもいだす事あり、其時はけしともちの米おいりて、湯にてほとばかして、扠いかほどもすり、けしほどもかすのなきやうにすりて、酒塩ばかりにてあゆる也、しほなどは入候まじく候、自然からみ入候はゞ、はじかみよく候、