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古事談
二臣節
二修帥長実、著水干装束、遊女〈神崎君目古曾〉にいかヾ見ゆると被問ければ、目出度御座之由申之、重被問雲、水干装束にてよかりし人、又誰おか見哉雲々、遊女申雲、肥前守景家と申人こそ見候しかと、詞未了前忽解脱雲々、件景家水干装束之時無双、布衣之時似田舎五位、束帯之時は諸人咲之雲々、常は小鳥柿の水干無文袴紅衣お著て、赤つかの刀のまぶたきに貝摺たる差てぞ、家中には居たりける、最後に何事か思置事有哉と問人ありければ、無別之遺恨、伹大殿大饗之時、山鴫の翳焦被召之時、山鴫のなくてみやま鷯のひしほいり(○○○○○)おまいらせたりし事なん遺恨雲々、