[p.0231][p.0232]
武家調味故実
一しぎあぶりて可献様別足二つ上はし下はしおつゝみて、おしきに置て、こうばいの檀紙にて、おしきながらつゝみて可用、是も雪の朝まいるべき物なり、あぶる事如常、せなかおわりてかしらおば口むきにわるべし、かやうにしてあぶりて、足と上はし下はしとおつゝみて、わり目お上になして置なり、必雪の朝にてなくとも、冬はまいらすべし、足おも足の四ある鳥と雲々、秘蔵の秘曲なるべし、次若足お切て参らせよと仰かうぶる時は、しぎつぼに切やうに可切、但ひつたれお下す事かなふまじけれども、常はかやうたるべし、別足のおもむきおまいらせば、下はしお可献、つゝみたるすがた、〈○図略〉下はおしき也、つゝみたるはこうばいだんし、かいしきの葉はなんてんぢく也、やき物にも尊者には別足の面向おまいらせて、上はしにても、下はしにても、一のこすべき也、猶口伝あり、一別足つゝみて三十三刀に切様、口伝在之、鳥左おもむきに当也、但切事、外に十七刀、内に十三刀、上に三刀、少すぢかへて切べし、以上三十三刀なり、