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料理談合集
名目のやきものゝ部椛(かば)やき うなぎ、はも、さより、沖さより、ふかなどのるい、長くきり、小ぐしにさしてやく事也、近来かばやきといふは、うなぎよりいひ出たるやうに思ふなれども左にはあらず、かばやきといふは、紀州よしの山のふもとにて、椛のかはおすきて、竹のくしのわりかけにはさみてうる、そのさくらのかはおかばといへば、その形に似たるより、かばやきといふなり、しかれば何にても右のなりにしたるは、すでにかばやきといひてしかなり、