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武家調味故実
一しぎつぼの事つけなすびの中おくりて、しぎの身おつくりて可入、身おば大略のこすべからず可入なり、かき(柿)のは(葉)おふたにしてからぐる事あり、わらのすべにてからぐる也、いしなべに酒お入て煎べし、くはしくは別本に有之、折びつにみゝがはらけにいためじほ置て可献、但〈しぎ二にてしたゝむべし、さてこそ別足四はあるべけれ、必雪の朝にてなくともまいるべし、〉雪の朝まいる物なり、御前にてこの折びつお火にたきて、あたゝめてまいらすべし、みゝざらにいためじほ置て、折びつの中の前に置てまいらすべし、折びつは口四寸五分、高さ二寸三分、足なし、下座は折敷也、是は雪の朝まいるべき間、折びつお可給物也、かはらけのあるはつけなすびなり、柿葉二枚ふたにしたる也、ふたの上にしぎの下はしおさしたり、但わけてまいらするときに、別足おばのこすべし、口伝、候べき所は別足四、ひつたれ少々可入也、分てまいらする時は、ひつたれ三切、別足一あり、置て可献、但したゝむべき様料理口伝の巻に委有之、