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松屋筆記
百四
刺身、鱠、ぬた和(あへ)、醤酢(ひしほず)は今の酢味噌の事にて、鯛の刺身蒜など和(あへ)まぜたるぬたあへの事也、後世のぬたあへは、酒糟大豆粉(きなこ)花鰹お酢にてすり、それに刺身の魚お和たるおのたあへ鱠といふよし、大草家料理書〈群書類従三百六十六巻廿二丁右〉に見ゆ、〈○中略〉万葉集の比は、刺身お酢味噌に和たるお、後世ぬたと雲名おいひ出し也、