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塵袋

一女房の中に酢お御しすと雲ふ心如何御膳に四種と雲ふ事あり、味曾塩酢酒の四なり、此れおばおの〳〵一器に入てまいらすべきなり、今の世には四種かならずしも器にいれず、或はたヾ四のすみに一づヽ器ばかりおおきてもあるべきにや、或は酒お略して、蓼もしは山癸おいるべしと雲ふ人もあり、又味曾も蓼もかならず酢お入と雲々、四種に酢のむ子とあれば、すと雲はんもひたはたしのゆへにかくし題にて、すお御四種と雲ふなるべし、