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大草殿より相伝之聞書
一海老のふなづみ(○○○○○○○)の事、本膳にもあれ、二三の間にもあれ、集養はおなじ事也、先えびお台共に右の手にてとり、我が前にて左の手おそへて、いかにも〳〵かんずる心もちおして左の手に取、右の手にてほづなおはづし、海老の頭のかたへかけ、我が右の方のたゝみにおきて、しばらく座中おみあはせ、よきころにほばしらおぬきて、ほばしらさきにてえびのみおさして、左の手にてぬき、右に又とり、ほばしら持たる手にて集養あり、其後ほばしらおはさみかけて、海老の上におき、いかにもたべたき程手にてたべべく候、扠よの手の物にはちとかはり、しばらく我前におきて、膳のくだり候時、膳の中おく也、