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酌次第
一おさへの物といふ事、いろ〳〵のさかな出つくしてのち、まへのさかなどもおおさへて、今一こん申たきといふ心なり、同又じぎにより、にはかなどのとき、さかな調法なきのとき、おさへのものお出して参る事もあるべし、一通にはあるまじく候、何もじぎによるべし、大かた先はじめに出事は、まれなる事にて候、しぜんの儀なり、よく〳〵あひ心得べし、一おさへの物と雲事、すわまがたなど、又はぢかみなどにして、いはくみなどのていおして、さてしゆ〴〵のさかなおもるお雲也、らつちや、とうちんかうなどおももるべし、盃のていの心得に大にしてさてさかなおもり、はしおおき候て出すおおさへの物と雲也、大小は又座敷によるべし、何も盃のだいよりは大きなるべし、