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四条流庖丁書
一飯の献立の事、本膳の中には必不紛定事にはなます用処に、近代無其儀不可然、焼物の事は、本膳には魚のやきもの、二の膳には鳥のやきもの有べし、是お本膳に双て、鷠の焼物お置事、四条六条の日記の外成べし、不可有之子細也、めしの大汁にびぶつおする事不可難、当流には有之、次にさはさらに香物以下の物どもお盛事は、廿余年此方の事也、古は自然やきしほ山椒など少置たる歟、勿論やきしほなど不入とも、隻さは皿おば可置也と雲々、冷汁の事、美物に組添たらば、精進の冷汁なれば上り也、精進の汁に組付たらば冷汁下るべし、但冷汁おあけてくめば、ばんのおもて見悪間口伝、