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古今著聞集
十八飲食
保延六年十月十二日、白河仙洞に行幸の時、御前にて盃酌有けり、家成卿右兵衛の督にて侍けるに、包丁すべきよしさた有けれども辞し申けるお、ある殿上人、鯉お彼卿のまへにおきてけり、徳大寺左大臣右大将にて侍りけるが、天気おまつにこそと奏せられたりければ、主上わたらせ給ひて、すゝめさせおはしましければ、家成つかうまつりけり、群臣興に入て目おすましけるとぞ、