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有徳院殿御実紀
二十一
享保十年十一月廿一日、黒木書院にて鶴の庖丁御覧あり、鶴に庖丁魚莇お俎にのせて、中奥の小姓二人にて持出て、東縁の下段の閾の外にすゆ、ときに台所頭小林貞右衛門祐良熨斗目長の袴つけて出、鶴お調理す、事はてゝはじめのごとく中奥小姓出て俎お撤す、祐良はこの事つかふまつりしおもて、時ふく一襲おたまふ、