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枕草子
三
木はゆづりはのいみじうふさやかにつやめきたるは、いとあおうきよげなるに、おもひかけずにるべくもあらずくきのあかうきら〳〵しう見えたるこそいやしけれどもおかしけれ、なべての月ごろは、露も見えぬ物の、しはすのつごもりにしもときめきて、なき人のくひ物にもしく(○○○○○○○)にやとあはれなるに、又よはひのぶるはがための具にもしてつかひためるは、いかなるにか、紅葉せん世やといひたるもたのもし、