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栄花物語
八初花
かくいふ程に、御五十日、霜月〈○寛弘元年〉のついたちの日になりにければ、〈○中略〉御帳の東のかたのおましのきはに、北より南のはしらまで、ひまもなう御几帳おたてわたして、みなみおもてには、御前のものまいりすへたり、にしによりては、大みや〈○一条后藤原彰子〉のおもの、れいのぢんのおしきに、なにくれどもならんかし、わかみや〈○後一条〉の御前のちいさき御台六、御さらよりはじめ、よろづうつくしき、御はしのだいのすはまなどいとおかし、