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飯粥考
さて飯に、強飯あり、糄〓あり、強飯は〈○中略〉上古の常食なり、〈○中略〉万葉集〈二の巻〉に、家有者(いへにあれば)、笥盛盛飯乎(けにもるいひお)、草枕、旅爾之有者(たびにしあれば)、椎之葉爾盛、また、〈五の巻〉可麻度柔播(かまどには)、火気布伎多氐受(けぶりふきたてず)、許之伎爾波(こしきには)、久毛能須可伎氐、飯炊(いひかしく)、事毛和須礼提、雲々、伊勢物語に、手づからいひがひとりて、けこのうつはものにもりけるお見て雲々、などあるによりて、その甑(こしき)にて炊たる強飯お笥子(けこ)〈椀飯とは別にて、笥子(けこ)にもれるにても、強飯のさまおもふべし、〉に盛て喰しことおもふべし、