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徳用食鏡
小米の飯焚様 〓(こヾめ)先米弐升お飯に焚んと思はゞ、小米お壱升よく洗ひ、小石なきやうよくゆりて、米揚〓(ざる)に入、水おたらし置、扠米壱升お洗ひ、釜に仕かけ、水かげんは、米壱升八合焚べき水にして焚、吹あがりたる時、右小米お入、杓子おもて上面おならし、元の如く蓋おして焚あげ、火おひき、燠(おき)おもひき、暫むらして、杓子にてかきまぜ、飯櫃(おはち)にとり食すべし、砕麦(ひきわりむぎ)飯に似たるものなれども、夫よりも口あたりよく喰しよきもの也、右のごとくして焚ば、大体弐升の米にて五合は徳分也、