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甲子夜話
十二
徳廟〈○徳川吉宗〉御飯の炊かた格段よく出来たるときは、御膳所の小吏へ御沙汰ありて、折々御褒美金など下されしが、御料理向の物は、いか様に御口に協ひたる時も、遂に御褒美の御沙汰は無りしとなり、