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貞丈雑記
六飲食
一飯の本式は強飯也、是は甑にて蒸て作る也、釜に入て煮たるおば姫飯(ひめいひ)と雲也、〈姫とは、やわらかなるゆへなり、○中略〉強飯といふは、白こはめし也、赤飯(せきはん)と雲は赤小豆お交たるこはめし也、此差別知らぬ人有、又胡麻塩お古は黒塩と雲たるなり、京都将軍の時、正月元日、御こは供御の御祝あり、御ちから共雲、年中恒例記、貞陸自筆記、正月祝儀飾絵等に見たり、其時御こは供御の御膳五迄参る、御こは供御に黒塩おそへて参る事、大草流の書にあり、