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年中恒例記
正月一日御強飯供御儀式は、未の刻に、中臘紅のはかまひとへきぬむねのまもりおかけ、上の御末掛席のきはにて、御こは供御お取渡被申候也、御手長伊勢同苗四五人各裏打也、御手永の衆へは、大草〈からうちなり〉取次てわたし申、大草より御こは供御調進によりて也、此御ごはくこの事、曇花院殿被仰之、今世に御こはの儀具、存知之仁ありがたし、曇花院殿なども、一向くわしき事無御存知よし被仰き、御倉よりの下行に候、