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類聚名物考
飲食一
糄〓 ひめ比女は常の飯なり、又案るに、比女の名、古へに聞えしは、清少納言が枕草子に見えたり、また和名抄に糄〓の文字お出しぬ、〈○中略〉とりところなき物、みぞひめのぬれたる、〈○中略〉みぞひめといふは、御衣糄〓の文字なるべし、今も世にひめのりといふは、姫糊の意にて、ひめはやわらかなるのたとへなり、古へも物にひめといふ名有は、みな男雄に対へしものなり、〈○中略〉強飯に対て弱飯なれば、姫とはいへる也、