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枕草子

よろづの事よりもわびしげなる車に、〈○中略〉斎院のえんがにまいりたる殿上人、所の衆、弁、少納言など、〈○中略〉所々の御前どもにすいばんくはすとて、さじきのもとに馬ひきよするに、おぼえある人の子どもなどは、ざふしきなどおりて、馬のくちなどしておかし、さらぬものゝ見もいれられぬなどぞいとおしげなる、