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酒食論
さるおこのほど三人のともがらよりあひて、おの〳〵心のひくにまかせてあらそふ、一人の男は造酒正糟屋朝臣長持とて、酒お飲ける大上戸なり、ひとりの僧は飯室律師好飯とて、小づけ(○○○)おこのむ最下戸なり、ひとりのおのこは中佐衛門大夫中原仲成とて、酒も小づけもこのむ中戸なり、