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宗五大草紙

人の相伴する事一人の相伴の事、貴人の前にて、めし又何にても相伴あらば、物のすはるまでは、ひざお立て可有、膳すはり候はゞ、ひざおくむべし、〈○中略〉飯又肴取おろして畳におく不可然、先箸お取ながら、飯ならば汁おかけ、湯おのみ、箸おおくまで貴人お見合、貴人より先にてあるべからず、箸お取おく事も同前、一人前にて飯くひ候やう、さま〴〵申候由候へ共、前に申ごとく貴人お見合てくひ候べし、〈○中略〉武家にては、必飯わんに汁おかけ候、汁おば本膳又二膳にても候へ折敷へ、分候べし、こわんに分候事なく候、出家は必ひやしるわんにつけて御参候、出家も在家も内々にては、何としても不苦候、