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伊勢守貞孝朝臣相伝条々

一精進のめし、寺などにて食お折敷へわけず候、小汁椀にてもわけて、汁おかけよく候、よき程にて、さいしん請候時、其心得にてまいるべき程うけてまいるがよく候、〈○中略〉一めしに汁かくる事 かきまぜずして、かたくつしにくらふべし、くいはつる時、白いゝお少残して置なり、一しきのめしの事 汁おかくるめしおばかさに入て、本のめしのさきに置也、先本のめしおくいて汁おかくる時、かさのめしにひや汁おかけてくふ也、ひや汁もくみ付にしてすはりて有おまへには、すう事有べからず、めしにかくるまでなり、