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料理調法集

麦飯一上々麦一夜水に浸し置、一時程煮、ざるにあげ、水お一二へん掛、布に而しぼり置、扠米は弐時程水に浸し置、扠桶に入、たぎりたる湯おかけ置、ざるに揚、麦五合に弐合の割に交、喰時半時前に蒸に懸るなり、米は古河米の三年古に美濃米お交てよし、同一麦お一夜水に漬、焚時水多して湯で、能煮へたる時湯お去、麦壱升、米三合お交、水おひた〳〵にして焚なり、同〈常に用る方〉一麦一夜又(かし水に漬てよし)は半日水に漬かし、夫nan釜へ水沢山にして麦お焚、煮上り候得ば、ふたふき程ふき上り候時、下火計り置、薪木引、半時余むらし置、夫nanざるに揚、又桶に入、水に而度々流し、手のひらにてもみ、粘お去、流しざるに上げ置、かしたる米と交、ひた〳〵水にて焚なり、猶割合は其人の好によるべし、