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松屋筆記
六十二
稗の飯日蓮書録外一の巻、〈古写本也、刊本とは順次おなじからず、〉南条殿御返事に、仏〈の〉御弟子阿那律尊者と申せし人は、おさなくしての御名おば、如意と申は、心のおもひの宝おふらしヽゆえ也、このよしお仏にとひまいらせ玉ひしかば、昔しうえたる世に縁覚と申聖人お、ひえの飯(○○○○)もて供養しまいらせしゆえと答へさせ玉ふと雲々、稗は和名抄に見え、山野の貧民稗飯、稗甫子、稗粥に造て食ふこと、今もしかなり、