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三省録
後編二飲食
義〈○原義〉雲、〈○中略〉予往年東遊の節、那須野殺生石一見せんとて、七里の広原にかゝり、昼食の設なく、黒川といふところにて、ある農家に乞得て、稗飯お喰ひしことあり、思ふに今世にも遠郷僻地には、かゝる品お常食とせるあれば、都下にて日々米飯おもて生お送ること、この上なき栄曜ならずや、