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諸国名産大根料理秘伝抄

濃州名物干大根飯之仕方〈みの厚見郡のめいぶつにて、此ところより、干大こん多くいづるなり、〉一これは冬至より大こんお干なり、春になりて、右大こんお小口切にして、煮湯へ入、すぐに蓋おして、扠また飯のふきあがりたる時、右ほし大こんおしぼり、飯のうへにおき、火お引て、おき火にてうましおくなり、汁は後藤豉(みそ)か、玉味そ汁にて、釜もりにして出す、ひなた薫(くさ)きが一だんの賞玩也、汁の実は昆布の上けづりそぼろ、おか入にする、此めしに此こんぶは、此汁に出合物なり、