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竈の賑ひ
薩摩芋飯〈金薯、紫芋、甘藷、かみがたにてりうきいも、西国にて唐(たう)いもといふ、〉薯の腐りおよくさり、皮お去ず其儘、〈くさり多きは、皮おむくべし、〉いつも菜にたくより少し細く切、飯の吹あがる頃入て、塩も程よくいれ、蓋おして焚あげ、暫くむし置、杓子にてかきまぜ食してよし、田家の此芋お作る所にては、此葉お取、きざみて日に干て、麦飯などの焚あげ頃うへに置、塩お入、しばらくむしてかきまぜ食してよろし、米壱升に十六文分の芋おいれなば、四合のかはりはすべし、