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永正九年日々記
三月五日、同日に御口伝在之、飯に毒の入たるかと思ふ時は、飯にそつと我息おしかけて見れば、其飯則黄色になる、然れば毒入ると思ふ也、飯の汁毒入ると思ふ時は、則はしのさきに其汁お付て、我身の上に置て見るに、其汁則ひるは毒有り、則かはかぬは毒なし、飯汁ともに前の如く無きは、自然毒入るといへども、一段どくくる事なし、則薬お用て吉、