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還魂紙料

慳貪今の俗嗔恚の強事にいふは誤りにて、慳貪は吝(しはき)こと也、されば蕎麦切にもあれ飯にもあれ、盛切て出し、かはりおもすゝめざるおけんどんといふなり、〈○中略〉慳貪飯(○○○) 江戸鹿子、〈○中略〉又国花万葉記、〈元禄十年印本〉京三条縄手茶屋慳貪弁当とあるもおなじものにて、他所へ持行ゆえの名なるべし、花千句〈延宝三年印本〉前句 よいしゆさうには見えぬ一連(ひとつれ) 正立附句 慳貪の弁当ひらく花の陰 季吟これ京師にての句なり、万葉記及四条川原の画巻にあはせ見るべし、