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利家夜話

一太閤様〈○豊臣秀吉〉御他界之儀、いつともなしに知らせ申間敷由上意にて、五奉行衆誓紙おかゝれ申候由に候、石田治部其判お仕たる手にて、宿へ用所有之とて、次之間へ出状箱お求、書状認入、利家へ御知せ申上候、為御心得申進候由なり、大納言様〈○前田利家〉いつもの通御使者被上御機嫌伺候処に、浅野弾正殿御返事に、御他界被成候て昼の事なるに、今朝も割粥お被召上候由申参候、〈○下略〉