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空穂物語
嵯峨の院二
所々にみやれば、とほう火おたきて、その山のめぐりの山ふじにたにあり、ちかうみれば、火お山のごとくおこして、おほいなるかなへたてゝ、くりおてごとにやきてかゆにさせ、よろづのくだ物くひつゝ、人々の御もとなる人にたびいたり、