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類聚名物考
飲食一
紅糟粥 うんざうがゆ 温糟粥十二月八日に奉る也 尺素往来、神楽寒更之紅糟は臘八之仏供、或書雲、十二月八日、釈尊此暁に明星お見て成道し給ふ朝なれば、禅家の僧、夜中座禅して、暁に粥お煮て、仏に供し我も食也、臘八の粥(○○○○)といふ是也、今案に臘八紅糟とは、臘沓子の事也、守護国界主陀羅尼経、〈九〉臘沓子の事有て、希麟音義雲、徒合反、考声合也、説文従水音別、与雑還字義同、経文従水、旧作沓、或作沓誤書也、安臘沓子者、以五穀雑合一処、用以加待、如今俗言臘雑子也、と見えし物也、温糟粥 櫃司より十二月八日上之、かゆにみそ并酒のかすお少し四角にきざみてにる、又温糟、本作紅糟、出于勅修清規、即赤豆粥之類也、下学集曰、紅調粥(うんてうかゆ)、正月十五日赤豆粥也雲々、紅調蓋紅糟訛転也、貞丈按に、あづきがゆの説難信歟、 ○紅糟粥の事は、歳時部歳暮篇臘八条に詳なり、