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大和本草
四造醸
麨(ほしいひ)蘇恭曰、蒸米麦熬過磨作之、蔵器曰、粗者為乾糗糧ほしいひ也、こがしと訓ずるは非也、作麨法、臘月に糯米お一夜水二浸し、翌日蒸てかたまりおつみくだき、薄くひろげ陰乾にし、よく乾きてかたまりおくだき、壺に納め置、土器に入、つよき武火にて俄に炒れば脹るヽお為末、砂糖お加へ、壺に納め置て、用る時湯に和し拌ぜ、糕となるお充昼食食す、又旅行に用ひ軍粮とす、補脾止瀉助気、療飢、性軽くして不滞塞、文火にて緩かにいればふくれずあしヽ焦れざるほどに炒べし、或これお以、こがしとすべし、臘日に不製、常時も亦可也、