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今昔物語
二十
仏眼寺仁照阿闍梨房託天狗女来語第六今昔、京の東山に仏眼寺と雲ふ所有り、其に仁照阿奢梨と雲ふ人住けり、〈○中略〉七条辺に有ける薄打者の妻の女の年卅余許也けるが、此の阿闍梨の房に来たり、餌袋に干飯お入れて、堅き塩和布など具して持来て、阿闍梨に奉て雲ふ様、自然承はれば、貴く御ますと聞て仕らむの志有て参たる也、〈○下略〉