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大和本草
四造醸
こがし国俗茶お不好人これお服す、或飯後好んで呑む人あり、其方秈米お為君、慧苡仁陳皮お為臣、茴香山椒等お為佐使、開胸快気、養胃有益于人、こがしの方、秈米炒四十匁、大茴香微炒八匁、肉桂忌火去麁皮二匁、胡椒一匁、忌火橘皮去白炒八匁、慧苡仁炒八匁、山椒去白五合、右七味為細末以匕首点熱湯服、開胸隔鬱滞、進食去風邪、又方、秈米黒炒十匁、陳皮炒四匁、山椒微炒、大茴香少炒、慧苡仁炒、右各一匁、右五味為細末点湯服、又方、黒胡麻能蒸て皮おもみ去、少炒十匁為麁末、山椒微炒一匁、塩七分、右和合して服す、潤身生血液、一方、もち米の乾飯お瓦器に入、武火にて俄にいればふくれてよし、ゆるき火にて炒ればふくれず、細末として温湯に点じ服す、又黒胡麻に塩お少加へいりて末とし、右の乾飯と等分に合せ用ゆ、こがしは、中夏の人の湯お服するに似たり、然与湯不同、国の風土によりて俗の所好異り、強て一物としがたし、