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翁草

一或所にて温飩お小豆にて煮て出せしお、一座の人々こは珍らしと雲けるお、其中に有職者ありけるが、特に賞美して、此仕形は猶古代の風俗也、大弐の三位が、狭衣に、ほそじほつとうお参らせけると有、ほそじは熟爪ほつとうは是也と被申き、