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料理物語
後段
葛素麺 まづくずおすこし水にてとき、わかしめしのとりゆほどのかんにして、おけにうつしさまし、それにて粉おこね申候、かげんはひきあげおとしみるに、いとになり、きれぬほどがよし、はやくおつるもきるゝもあしく候、とおし申、上戸はゆびのはいるほどにあげ候、おやわんよし、ふときほそきは上戸の高下により候、なべの湯およくにやして吉、そうめんにへ、色かはり候はば、すいのうにてすくひとり、水に入ひやし、よくもみあらひ候、水おさい〳〵かへ候へば、いよいよしろく見事になる也、汁はきりむぎどうぜん、芳野葛ならではなり申さず候、色々口伝在之、