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近世事物考
蕎麦屋そばうんどんは、完永以後元禄の初迄は、皆菓子屋にて拵へたり、猶商ふ家も希にて、下人など常に喰ふ事は少かりしなり、元禄の末に草子に、二八の看板初て見えたれば、漸此頃よりそばうんどん商ふ家とては、別に出来たるなり、