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浪花雑誌街乃噂

鶴人、さやうさそれも肱りやす、江戸でまた引越に蕎麦お配るのは、どふいふ訣でありや正ね、千長、ありや訣もなく手軽にいくから、初つたことで肱りや正、万松、さやうさ二八おにつ三十二文で間に合から、全く其訣でありやすのさ、いや蕎麦といへば、此地のそば屋に、おだ巻むしといふ、看板がありやすが、ありや何でありやすかね、鶴人、玉子蒸のしつぽこのことでありやす、いろ〳〵な名お書やすが、皆な似たやうなもので肱りやす、