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古事記伝
十七
欲用は母知比氐牟(もちひてむ)と訓べし、〈○註略〉用の仮字は、源仲正家集に、元日恋、千代までも影おならべて逢見むと祝ふ鏡の用ひざらめや、〈夫木集卅二に載れり、又後なれど、藤原経衡家集にも、此同人宇治殿にて、餅おおこすとて、肴には何もあれども此中に心につかば是お用ひよ、かへし君が代お心用ひのうれしきはいかなる人のなさけなるらむ、〉と餅に雲かけたるに依て定めつ、