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雨窻閑話
小野木家妻女并かちんの事某の人いはく、〈○中略〉総じて、昔は歌の会に餅お出だして、勝劣の賞にあたへしによりて、歌賃といふとも、又内裏微々なりし頃、褐色の袴著たる男、小豆餅お箱に入れて、築地の辺お売りありきけるに、女房達是お呼びて、褐々と言ひしより、餅おかちんといふともいへり、