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筑紫紀行

九日卯刻頃に立出づ、〈○中略〉かくて三四丁登りて峠に至る、此所は播磨と但馬との国境なり、又一丁計下ればこたわ村、人家十軒計、茶屋多くして茶屋ごとに土用餅(○○○)とて砂糖餅お売る、人々と共に立入て思ひもよらず土用の節物餅お喰ふことお得て、旅中ながら祝儀お欠ざるなり、