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本朝世事談綺
一飲食
幾世餅(○○○)根元は両国橋西詰にあり、前は鉄砲町に住して、すこしき餅お商ふ、此者の妹にかもんと雲あり、この女の夫は蕨駅の某にて大百姓なり、渠と示し元禄十七年にはじめて〓おかまふ、某餅甚味美にして栄ふ、今所々にこの名あるは、これに准もの也、何ゆえに幾世餅と名付たりや、