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守貞漫稿
後集一食類
餅幾代餅、余、〈○喜田川季荘〉が所聞は吉原の娼幾世と雲者、花街お辞して後始て売之、故に名とする也、何れ歟是なるお知らず、今世も両国と神田見附内とにあり、二戸ともに甚粗製也、世事談に美味と雲る古美今麁なる歟、或は幾世餅製古と同製、なれども、、近年奢侈の時故に、他製益精美なる故に、他に比して麁製となる物歟、天保中大坂心斎橋南詰に幾世餅店お開く、江戸お学び移す者也、然れども唯名お学び製は異也、美製也、其店今も存在すと也、