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東都歳事記
四十二月
廿六日、此節より餅搗街に賑し、〈其体尊卑によりて差別あれども、おほよそ市井の餅つきは、餅搗者四五人宛組合て、竈蒸籠臼杵薪、何くれの物担ひありき、傭て餅つかする人、糯米お出して渡せば、やがて其家の前にてむし立、街中せましと搗たつることいさましく、昼夜のわかちなし、俗是お賃餅(○○)又は引ずり(○○○)などいふなり、〉